のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

つるべ落とし

ひやりとした風が頬をなで、うたた寝から目覚める。
秋の夕暮れは早く、あっという間に日が落ちていく。

この秋の日暮れの早さをつるべ落としと言いますね。
釣瓶か、懐かしいな。
ガランガランと井戸のなかにバケツを落とし、
所々コブを作ったひもをたぐり寄せながら水を汲み上げる。
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最近では汲み上げポンプが付き、こんな光景も見られなくなりましたね。
そもそも、井戸の水を使う家自体が少なくなったこともありますし。

淵から見下ろすと、遙か下に引き吊り込まれそうな水面が見える井戸。
大きな声を出すと、声が児玉で帰ってくる井戸。
そんな井戸は、生活の中心にありました。

釣瓶落の懐かしい音を思い起こさせてくれた夕暮れの一時。
見上げると、素敵なお月様がにっこりと微笑んでくれたような気がしました。