のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

日々の暮らし-こよみ

第六候「草木萌動 (そうもくめばえいずる)」

じっと縮こまっていた身のうちが外側に向かってはじけるように 草木たちが、一斉に芽はじける。 はらりと 衣を一枚づつ解きほぐしていく。 草木萌動 (そうもくめばえいずる)とは そんな様を表すことば。 春を感じるこよみの言葉 第六候「草木萌動 (そうもく…

カラタチの垣根の散歩道

早朝、家から勤め先までの6kmを歩き始めて1年半 中間地点にある名古屋城のカラタチの垣根の四季を追う。 カラタチの花と言えば、アゲハ蝶 蝶にはそれぞれの好きな木があり、 匂いで探していると聞くが、 どうやってこの広大な空間から目的の匂いを 嗅ぎ分け…

蒙霧升降(ふかききりまとう)

立秋も末候に至り、雨上がりの朝は涼しい風が窓から吹き込んできた。 日が昇るとまだまだ残暑厳しい日が続く。 朝晩の寒暖の差が激しくなるほどに大気に含まれる水分が押しだされ深い霧となり、この時期特に霧が深くなる。 暦は本当によく考えられていると感…

寒蝉鳴(ひぐらしなく)

いつの間にか鳴き始めたセミの声が日常になり始めたかに感じた頃 ひっそりヒグラシが鳴き始める。 夏、セミたちは大地から抜けだし、希望に向かって向かって飛び出していく。 出会いを求めて危険の中へ。 そして、精いっぱい声の続く限り鳴き続ける。 生きる…

涼風至(すずかぜいたる)

長く永遠にも思えた子供のころの夏休み お盆を過ぎると、なんだか少し寂しい心持になったのを覚えている。 むっとする暑さの中に、ふっと涼しさを感じる風が吹く。 あれっと、空を見上げてみるが お日様からは、さんさんと強い日差しが降り注ぐ お日様をいっ…

小雪の御池山 小雪(しょうせつ)

◆小雪(しょうせつ) 木枯らし一番の知らせが届き、北風が山から山を飛び越えていく。 北国では里でも初雪の便りが届き始め、本格的な冬が季節の戸を叩く。 小さな雪が大きな雪に。 日ごと雪ごとに季節は進む。 小雪とはそんな季節 森は眠りにつこうとしてい…

第二十五候「 蟷螂生(かまきりしょうず)」ー精いっぱい生きているー

その冬の降雪を占うといわれる蟷螂の卵も、いつの間にか緑に覆われ見当たらなく頃、小さな命が森に放たれる。 草の茂みをかき分けると、いろんな生き物が精いっぱい生きている。 がんばれ! もう少しで届くぞ。 カマキリやカタツムリだけじゃない。 上へ上へ…

小満「麦秋至」むぎのあきいたる

気温が高くなり始め、生命が湧き上がるような既設を迎える頃 春から育ち始めた麦が、実りの秋を迎えていた。 中部地方に暮らすまで、麦が実っているのをほとんど見たことがなかった。 地方により、適する農作物や耕作物が異なり、長年の試行錯誤の上でこの場…

蟲虫培戸(むしかくれとをふさぐ)

日中の日差しはまだまだ厳しいが、朝はひやっと感じるほどになってきた。 バサバサバサ 何事かと頭上を見上げると、カワウの集団が通りすぎて行った。 カワウが渡りをするかどうかは知らないが、日本で子育てが終わった鳥達はそろそろ旅立ちの純美の頃かな。…

七十二候「蟷螂生」命の季節

蟷螂生(かまきりしょうず)に入った週末 熱くなってきたが、空は雲に覆われ日差しはなく、カンカン照りは避けられそうなので、低山もいいかなと考え、生き物たちに出会いがたくさんありそうな、葦毛湿原(いもう)をぐるりと回る、二川駅からのコースを訪れ…

週末天気

先日の遊山で雲に興味を持って、少し調べてみた。 雲はだいたい、10種類(十種雲形)に分けられていて、巻雲(けんうん)と積雲(せきうん)に分けられる。 タテ方向にのびる雲は「積」 ヨコにに伸びる雲は「層」 雨を降らせることが多いのは「乱」と覚える…

立夏(りっか)の草むら

立夏「春が極まり夏の気配が立ち始める日」 日一日と天高くなり春過ぎ去り、夏が来た。 道端の草むらを覗くと小さな子供たちがちょこんと葉っぱにのっかって日向ぼっこをしている。 ちょんと指でつつくと、驚いてぴょんと跳ねる。 里山の沢沿いの草むらはた…

第六候:草木萌動(そうもくめばえいずる)

春が来た、春が来た、どこに来た。山に来た、里に来た、野にも来た。 (高野辰之「春が来た」) 春一番を告げる強い南風が吹き。大荒れの、春の嵐もやってきた。 この時期、太陽が高くなることで大地温まり、海水の温度差が小さくなることで季節風が弱まる。…

くまのみち「第三候:魚上氷(うおこおりをいずる)」

立春を迎えたばかり、暦ははや第三候にはいるころ南紀へ向かう道に、くまのみち「小辺路」の一部を選んだ。今回は十津川の果無(はてなし)の里から古道をたどることとした。 ■魚上氷(うお こおりを いずる) 川や湖の水ぬるみ、表面の氷が割れて魚が飛び出…

春立つ

■立春 旧暦正月、寅の月の正節で、新暦二月四日の頃 節分の日の翌日をいう。 冬と春の分かれ目ににあたり、天文学的には太陽が黄経315度の点を通過する時をいい、この日を年越しと考える風習がある。 新しい年を祈る。 春を喜び、新しい年に感謝する。 日…

第七十一候:水沢腹堅(さわみず こおりつめる)

四十数年ぶりの寒波だと騒いでいた。確かにいつもとは違う寒さだ。でも今は大寒、一年で一番寒い季節 そうだ、私市植物園のシモバシラが花をつけているかもしれない。 いてもたってもいられなくなり、出社を遅らせることにした。(^_^;) セコイヤの森の池の薄…

第六十七候:芹乃栄(せりすなわちさかう)

春の七草の一つ「芹」 小さな水場で小さな芽を出し始めていた。 今は寒の入り。 寒さはこれから一段と厳しくなるが、寒さの中でも力強く命が育まれている。 朝、大気がきりりと引き締まり。 身も心も縮こまり、朝日が登のをじっと待つ。 こんな寒い中でも、…

立秋ー寒蝉鳴(ひぐらしなく)

季節の移り変わりを感じるのは、気温だけでなく ふとした時に耳に入ってくる音だったりする。 ■蝉の声 ハルゼミが鳴き始め命の鼓動が始まる。 続いて、アブラゼミやクマゼミが真夏の主役となり ツクツクボウシやヒグラシのもの悲しげな声が聞こえ始めると そ…

大暑

夏がやってきた。 大きな向日葵が咲いた。 「大暑」 一年で一番暑い季節。 この暑い夏を喜ぶのは野の生き物たち。 夏は生き物の季節、恋の季節。 みんないきいきと恋を育む。 ニイニイゼミも出てきたよ。 いろんな生き物が出てきたよ。 河原では小さな赤ちゃ…

蓮始開(はすはじめてひらく)

週末の三日間、私市植物園で夏期早朝開園が行われた。 泥の中から美しい花を咲かせるハスの花は、仏教では神聖な花とされ様々なお話や、デザインに使われていて私たちにも身近な存在です。 今日から次の候に移ってしまったけれど、日本の四季を分けている七…

第二十七候「梅子黄(うめのみきばむ)」

■梅雨 「うめのあめ」と書き「つゆ」と読む。 梅雨入りが発表されて一週間がすぎるが、梅雨前線は南に停滞し北上してこない。 今年の梅雨はから梅雨かも知れない。 雨は降らずとも、青梅だった梅の実は次第に色づいてきて、梅干を作るのにほどよい熟れぐわい…

第二十一候「竹笋生(たけのこしょうず)」

今年はまだ筍食べてないな。 食べて美味しい。 加工しやすくいろいろな竹細工に使われてきた竹は、昔から私達の生活と切っても切れない植物の一つ。 私が育った家の裏にも竹林があり、タケノコ掘りを楽しんだり 竹馬、弓矢、竹槍にボートの竿なんかをつくっ…

立夏:第十九候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」

■立夏 春分と夏至との中間となり、これから梅雨をへて本格的な夏が来る。 季節の変わり目をもう少し楽しみたいところだけれども、季節は足早に過ぎていく。 あちこちでカキツバタが花開き始めた。 ■蛙初鳴 空から今にも雨粒が落ちそうに鳴ると、蛙が一斉に鳴…

第十八候「牡丹華(ぼたんさく)」

日々時は流れ、「牡丹華」季節が訪れた。 しかし、古人が編み出した「こよみ」とはすごいものだ。 牡丹華は、穀雨の末候 4月30日~5月4日のころにあたる。 こよみは、人々の生活の基本となる。 月と星、太陽、雲、花木、生き物、音 身の回りのあらゆる…

第十三候「つばめ きたる」

おかえり。 南の島からツバメが帰ってきた。 一羽、二羽 日ごとに見かける数が多くなる。 ツバメは春を運んでくる。 今年の春は少し遅めだけど、それでも確実に季節は進み始めた。 ツバメを見かけ、桜が咲き始めると、畑仕事も忙しくなる。 周りの植物と暦を…

大寒の風景

裏山の向こう側の里に、竹で栄えた村がある。その村は、日本で流通する茶筅のほとんどを産している里。一子相伝で、綿々と茶筅(ちゃせん)作りが受け継がれてきた里。 京都と大阪、奈良を結ぶ古道沿いにその里は位置する。室町の昔、鷹山村(たかやま村)の…

初詣

新たな年を迎えられたことを感謝し、気持ちを新たに入れ替える一年の区切り。 全国津々浦々、常に私たちのそばにあり、心のより所となっている村の神社 現代では、普段の忙しさに忘れがちですが、ことあるごとに生活の中にあり 思い出す不思議な存在です。 …

啓蟄−春の匂い−

啓蟄ー春の匂い 土の中で冬ごもりをしていた虫達が、早春の光を浴びて暖まった土を啓(ひら)き、這いだしてくる頃のこと。 啓蟄を迎えた週末。 ふらふらと匂いに誘われて、森の奥深くへと入っていくと、 急に桃源郷のような風景が目の前に現れた。 凍え縮こ…

立冬:山茶花始開

立冬を迎えるころ、山茶花の花が開き始め はらりはらはらと、花筵を敷き詰める。 ブーンと、大きな羽音が響き、見上げると大きな大きな スズメバチが、花から花へと忙しそうに飛び回る。 ほとんど花がなくなったこの季節 冬ごもりの巣を作り、貴重な蜜源とも…

水始涸(みずはじめてかるる)

秋分の末候、水始涸 田の水を抜き、稲刈りの準備を始める。 八十八の手間をかけ、まごころを注ぎ込んで育て上げた米が もうすぐ収穫となる。 我が子と同じ手塩にかけての稲刈りは、とてもうれしいものだと思います。 黄金色に輝き始め、風になびく田んぼを見…