その冬の降雪を占うといわれる蟷螂の卵も、いつの間にか緑に覆われ見当たらなく頃、小さな命が森に放たれる。
草の茂みをかき分けると、いろんな生き物が精いっぱい生きている。
がんばれ!
もう少しで届くぞ。
カマキリやカタツムリだけじゃない。
上へ上へとのびていく、サルトリイバラやフジも支えを探して精いっぱいに背伸びをしている。
ぼくは、背伸び苦手。
下から見上げる芋虫がぽつりとつぶやいた気がした。
切り株の上にポロリと落ちた葉っぱには、ダンゴムシがしがみついていた。
みんな必死に精いっぱい生きている。