のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

色を紡ぐ

どくん、どくん

山が、森が動き始めた。

ゆっくり血液が流れ

うっすらと肌を染め始める。

一つ一つの枝先から溢れだした小さな命は

それぞれの個性的な色をもって生れ出る。

淡い草木の糸が体内から吹き出し

一本一本集めて糸を紡ぎ織り上げていく。

山奥で人知れず色を紡ぐ一瞬のこと

大気に噴き出した命の気が

私の身を包み込みこむ