のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

山-40.御嶽山周辺

行ったり来たり

下りは、二ノ谷へと下ることにした。 二ノ谷は乙女渓谷へと交わり数々の滝とともに 流れゆくように下っていく道でもある。 渓谷の道を楽しみながら、ゆっくりと下っていく。 ジョウビタキがやって来て挨拶をしていき、 遠くで、アオゲラがドラムをたたいてい…

ありがとうございます

ゆっくりとした朝食をとり、荷物をかたずけ掃除をする。 来た時よりも綺麗にね。 一晩有難うございます。 日が登り、青空が広がる。 風は強いが、気持ちの良い一日になりそうです。 もう一度手を合わせ、帰路に就く。 名残惜しく振り返ると、山頂小屋が手を…

小秀山の夜

滑り込みで小屋につく。 振り返ると、雲の向こうに日が消えていった。 静かに小屋に入る。 今晩の住人は、私一人だけのようです。 小秀山の避難小屋はとても清潔で、中にバイオトイレも完備されていて とても綺麗で、地元の方々に愛されている山だと感じます…

暮れゆく時の流れ

上空は風が強く、雲の流れが速い。 先ほど降りれ来られた方に聞いてみると、御嶽は雲の中で 時折小雨が降ってきたので急いで降りてきたとのこと。 少し急ぐか。 振り返ると、日が西に沈んでいく。 日の入りの時刻を確認すると、17:10 小屋につくのはち…

加子母(かしも)の森

小秀山がある中津川西部周辺は、加子母(かしも)の森と言われて、 林業が盛んな地域で、この日も重機の音が谷に響いていた。 この足場の悪い急斜面に木を植えて倒し、また植える。 いつも思うが、凄いな。 三ノ谷の登山口は、伐採作業のため新しい道がつけ…

秋は何色

南方面にすれば天気は安定しているけれど、紅葉には少し早いし。 北に行き過ぎると、天候不安定。 行き先に迷った10月の連休は、以前から山頂の避難小屋で一泊してみようと 思っていた、小秀山に決めた。 小秀山の登山口の標高は約890m 丁度秋の花が花盛…

祈りの山

乗鞍から穂高、槍へと続く北アルプスの峰々がよく見える。 剣が峰に参る。 雲の上、どこまでも続く雄大な景色が続く この景色、空気は、山上で一夜を明かしたからこそ味わえる。 大きく息を吸いこみ深呼吸してみる。 鬼が積んだ石を蹴散らしていくという賽の…

飛騨山上色溢れる

飛騨山上の山小屋のご飯は夕も朝も早い でも、去年も一昨年もこんなに早かったかな。 コロナが明けてほぼ満員のためか、これが普通の景色なのかな。 人が増えようが、少なかろうがこの景色は変わらない。 まあ、でも個人的にはのんびりしたいけど。。 平日に…

水少なきこと

一年ぶりの五ノ池小屋です。 天気の関係で空きが出たようで今年も泊まることが出来ました。 ここは人気の山小屋でなかなか予約が取れないと聞くのですが、 山は天気次第でキャンセルも多くあるので、 天気を見ながら電話してみるのもよいと思います。 今年は…

押し合いへし合い

雲が上がってきた。 独立峰の御嶽山は気流が吹き上がり雲を纏いやすいのか。 それでも雲が晴れると、これでもかと青い空が垣間見える。 夏と秋のはざま 季節の変わり目は空気のせめぎ合い 押し合いへし合いしながら少しづつ季節は巡る。 コマクサはもう種を…

雨上がりのツガの森

夜半に降った雨露が林床の葉にあたる朝日に光る。 心配していた雨も何とか持ちそうだ。 2014年のあの噴火から9年目、年号は平成だった。 この夏、やっと剣ヶ峰への規制が解除された御嶽へと足を向けた。 転勤して毎年、五ノ池小屋泊で、御嶽山に通うように…

笹原の眺め

夏色が濃くなってきた。 日一日と季節は進む。 競い合うように次々と世代交代を重ねる草木たち。 合わせるように虫・鳥・動物たちも活発に動く。 ガサガサ、ガサガサ 木陰で休息しているとが笹原ががさがさと揺れる音がした。 んん 怪しい。 熊さんのような…

川上岳「色輝く森」

サラサドウダン 最初に出会った時、ツツジの仲間だとは思いもよらなかった。 更紗(サラサ)とは、インド期限の模様の事だという。 染物の世界は奥が深く興味深い。 先ほど読み終わった(最終回を迎えた)、「あきない世傳 金と銀」では、いろいろな日本の伝…

川上岳(かおれだけ)「初めての道」

気になっていた の登山口へは4-5kmのダートが続いていた。 前日の台風の影響か、結構あれている個所が所々ある。 こういった時ハンターカブは便利です。 若いころ乗っていたXLRとまではいかないが、ダートの踏破性もそこそこあり、 ゆっくり行けば何とかなる…

彼岸の開田道 下り道

さあ下ろう。 鳥たちとのゆっくりと戯れることもできたし、今回もよい遊山だった。 淡く輝く季節の変化を楽しみながら ゆるゆると下っていく。 登りと下りでは、目線が違い 同じ道でも、新たな気づきがあったりする。 森の中に、まるい湿原がある。 どんなと…

彼岸の開田道 合掌

あの噴火から8年 あの時も、こんな晴天だったという。 手を合わせるため、二の池まで上がった。 今、山頂の剣ヶ峰までの通行止めも解除されていて、多くの人が訪れているようだが、 どうも、山頂までは足が向かない。 ここで祈ることにしよう。 ■下る道 快…

彼岸の開田道 あたたかさ

南の空が、花火が打ちあがるように、ぱ・ぱっと時折輝く 雷だ 穿孔は強烈で、間際なく続く やがて東の空がうっすらと明るくなりはじめると、闇が解け始めた。 景色は次第に形を取り戻しはじめ、昼の姿に戻り始める。 昼と夜 昔から物語で紡がれてきた様々な…

彼岸の開田道 雲の海

五ノ池小屋が見えてきた。 最後の斜面をトラバースする。 稜線に出ると、はるかに雲海がどこまでも続いていた。 どこまでも続く雲の海 まさに、海そのものだ。 台風がおいていった湿った空気の置き土産 海の向こうに浮かぶ島は、白山だろう。 大海にゆっくり…

彼岸の開田道 時の変わり目

延々と続いた苔の森が突然に、ゴロゴロとした沢をたどる道に変化するころ 時折薄く雲がかかり始めた。 高山は急速に季節が進み始め、枯れ始めたアザミの花に、ミツバチが必至で頭を突っ込んで、残り少ない食べ物をかき集めていた。 あと、1-2週間もたてば…

彼岸の開田道 秋の匂い

彼岸の週末 毎週のように台風がやってきて、大気をかき混ぜ季節は進み 森の木々は変化を始める。 今年の紅葉はまだ少し早そうだが、実は色づきはじめ 森には秋の匂いが漂い始めていた。 甘い秋の匂いが、涼やかな空気とまじりあい匂い建つ。 春・夏・秋・冬 …

彼岸の開田道 かんざし

きらきらと、光に輝く宝石がある。 なによりも美しい宝石が輝く。 一瞬の出会い。 今日、この時、この瞬間でないと出会うことはないであろう一瞬の出会い。 ひとこまの瞬間に出会えた瞬間、心に電流が走る。 一度体験すると、まるで麻薬のような感覚。 また…

彼岸の開田道 うろうろ

ヒカリゴケないかなー このあたりにヒカリゴケがあると聞いたんだけどな。 岩の割れ目を気にしながらゆっくりと歩くが、どうも見つからないが 雨上がりの苔の森は、生命力に満ち溢れ見ていてとても楽しい。 この苔が保水してくれてこの森が維持されているの…

彼岸の開田道 大地の時間

何万年ものそのまた昔 地中の奥深くから押し出された溶岩は大空に向かって吹き出し 冷やされ岩の大地が広がった。 そこに、一粒の種がどこからか飛んできた。 一粒、二粒、三粒 やがて種は子供を産み、 そのまた子供も子供を産み どんどんと増えていった。 …

彼岸の開田道 台風一過

初秋の三連休を連続して台風がやってきた。 天気予報とにらめっこ。 夜明けとともに雨が上がった国道19号を北へ北へと走りだした。 目指すは開田高原 山頂に避難小屋やテントを張れる場所がない御嶽山だけれど、五の池小屋に空きが出たようで、電話すると…

春の御嶽開田道 ゆるり楽しむ

さて、今日はどこまで行こうかな。 今日は最初から頂上まで行くつもりはない。 苔の森を抜け、左側の稜線に出る。 そこからは緩やかな坂が続く道。 どこか良さそうなところで昼にして、少しゆっくりしてから下ろうと考えていた。 出来れば小屋跡まで行ってみ…

春の御嶽開田道 風と光の森のこと

差し込む光を大きな手を広げて受け止める、とげとげの葉っぱ 雨の雫に触れると、透き通る花を持つサンカヨウだ。 優しい光が差し込む、シラビソやトウヒの森は独特の生態系を作っている。 小さな鈴をつけた、タケシマランは光を浴びてチリン、チリンと軽やか…

春の御嶽開田道 静かな苔むす森

初めて訪れたときは、温泉「やまゆり荘」を目指していけばよかったのだけれど、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと、この登山口が分からず苦労したな。 名古屋からカブで4時間 車のように車中泊が簡単にできない。 金曜日の夜出発して、何度かテントを張っ…

秋の小秀山「下り道」

天が灰色に染まり始め雲が沸き始めた。 天候が変化してきた。 10月に入っても暑い日が続いていたが、この天気の崩れとともに一気に冷え込むと予想され、山の秋は終盤に向かう。 お日様が隠れると、色とりどりだった森は急速に色を失っていった。 色とはお…

秋の小秀山「感謝の道」

滝の注ぎ口に一株の白い花が咲いていた。 その花びらから滴った水が、あつまり水しぶきとなって谷を下る。 傍らには赤く色づき始めたナナカマドが季節の変化に戸惑ったように風に揺れていた。 渓谷に遅い光が差し始め、飛び行く前の綿毛を揺らす。 この株は…

秋の小秀山「渓谷の朝」

川沿いの公園の片隅に一夜の宿を借り、夜明けとともにテントを畳みハンターのセルを回す。 秋から冬への変化を探しに、御嶽山系阿寺山地にそびえる小秀山を訪ねた。 標高約900mにある登山口の早乙女渓谷キャンプ場は9月末で営業を終えていた。 ひっそりと…