のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

彼岸の開田道 合掌

あの噴火から8年

あの時も、こんな晴天だったという。

手を合わせるため、二の池まで上がった。

今、山頂の剣ヶ峰までの通行止めも解除されていて、多くの人が訪れているようだが、

どうも、山頂までは足が向かない。

ここで祈ることにしよう。

■下る道

快晴のハイマツ帯を下り始める。

遠方に峰々が続き、遠くは槍ヶ岳の尖がった穂先や富士山の台形の形までよく見える。

ばっ!、ばっ!

ハイマツのあちこちを、ホシガラスが飛び交わす。

この時期、ハイマツは赤ん坊のコブシ大の小柄な実を結び、様々な鳥たちを呼び寄せる。

松かさは、乾燥すると傘を開き、湿気ると傘を閉じる。

昨日からの晴天で鳥たちは開いた傘の中から顔を出した実を食べた酸いのだろう。

おや

雷鳥だ。

じっと見ていると、一羽、二羽、三羽

親子なのか、兄妹なのか、集まって黙々とハイマツの実を啄んでいる。

イワヒバリが、その名の通り岩の上に残されたハイマツの実を啄む。

たぶん、体の大きなホシガラスが岩の上に運んで啄んだハイマツの実の食べかすを啄んでいるんだろう。

なぜ、岩の上にこんなにハイマツの実が集まっているのかと疑問に感じていたが納得です。

よい山だな。

生き物たちが戻ってきて、何事もなかったのように営みを続ける。

振り返って、もう一度合掌した。

また来ます。