のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

日々の暮らし

土の筆

筆のような「土筆」が一本ありました。 朝露にそっと浸して筆を持つ なんて書きましょう。 ランキング参加中写真詩ブログ、集え!

第六候「草木萌動 (そうもくめばえいずる)」

じっと縮こまっていた身のうちが外側に向かってはじけるように 草木たちが、一斉に芽はじける。 はらりと 衣を一枚づつ解きほぐしていく。 草木萌動 (そうもくめばえいずる)とは そんな様を表すことば。 春を感じるこよみの言葉 第六候「草木萌動 (そうもく…

師走のくろんど園地

小さな茶の花が咲き始めていた。 主張しない小さな花がなんとも愛らしい。 久しぶりに尺治の沢をくろんど園地へと向かった。 家の窓から見上げる里山は、古く共同管理されていた入り合い山で 薪を取ったり、山菜を取ったりしていたようで、 今でも一部は私市…

思い出箱

田舎の押し入れにほこりをかぶった箱があった ふたに「おもいで箱」と書かれている。 何だろうと開けてみたら思い出が詰まっていた。 そっと開けて母の思いを感じる箱 ランキング参加中短文エッセイ

ゆるやかな時間の流れる場所のこと

生まれ育った町が見えてきた。 三方を山に囲まれ、一方は海に続くまち。 瀬戸内の小さな町が私の故郷 父と母がいる街 ただいまー そこにはいつも笑顔があり、受け入れてくれる人がいる。 帰る場所があるってとても幸せなことだと思います。 うわ! また増え…

コロッケ

ただいま。 暖簾をくぐると、一瞬で時が巻き戻る。 築100年弱のちょっと傾いた家だけど、大工だった父があちこち手を入れていた。 そして、小さな私は手伝いがしたくて仕方がなかったのを思い出す。 この玄関も、昔は広い土間だった。 たしか土間だったこ…

お月様と暦のこと

薄雲がかかり始めた空の向こうに、月が登り始めた。 もうすぐ満月のようです。 満月の夜のお月様は本当に明るくあたりを照らすが、 お日様が登っていらっしゃるときのお月様は、とても控えめ。 陰に日向に私たちを見守ってくれているお月様は、なんだかお母…

明け六つ

日の出とともに、ハンターのセルを回す。 心地よい振動が始まる。 明治の頃、新暦に変わって暗いうちに起きるのになかなか慣れなかったと聞く。 その昔は、日の出を「明け六つ」とよび、日の出に合わせて時を変えていたという。 ■明け六つ 日の出から日の入…

子守歌を聞きながら

季節の移り変わりの美しさの中で、 小さな生き物たちの命が終わる。 ちょっとした偶然 そしてもって生まれたであろう運 世代をつなぐ役割を果たし、命はつなげたのか。 誰かに守られて、導かれたのか。 この場所のどこかに いまは、ぐっすりと眠りについてい…

蒙霧升降(ふかききりまとう)

立秋も末候に至り、雨上がりの朝は涼しい風が窓から吹き込んできた。 日が昇るとまだまだ残暑厳しい日が続く。 朝晩の寒暖の差が激しくなるほどに大気に含まれる水分が押しだされ深い霧となり、この時期特に霧が深くなる。 暦は本当によく考えられていると感…

寒蝉鳴(ひぐらしなく)

いつの間にか鳴き始めたセミの声が日常になり始めたかに感じた頃 ひっそりヒグラシが鳴き始める。 夏、セミたちは大地から抜けだし、希望に向かって向かって飛び出していく。 出会いを求めて危険の中へ。 そして、精いっぱい声の続く限り鳴き続ける。 生きる…

KOKUN

植物たちは、香りで話をしているという。 上橋菜穂子さんの新作「香君(KOKUN)」を読み終えた。 動くことのできないものたちは、香りで友を呼び話をする。 また、傷つけられると助けを呼ぶ お互いにすべての生き物はつながっている。 一人歩いていると、ふっ…

涼風至(すずかぜいたる)

長く永遠にも思えた子供のころの夏休み お盆を過ぎると、なんだか少し寂しい心持になったのを覚えている。 むっとする暑さの中に、ふっと涼しさを感じる風が吹く。 あれっと、空を見上げてみるが お日様からは、さんさんと強い日差しが降り注ぐ お日様をいっ…

柊鰯

所用で私市に帰った週末。 毎年柊鰯が飾られている農家の門に今年も鬼除けが飾られていた。 柊は葉の棘で、鰯の頭は匂いで災いを遠ざけるといわれ、古くから節分の日に家の門などに取付け、鬼除けとされる。 一つ一つの季節の流れを大切にする気持ちが心の余…

小雪の御池山 小雪(しょうせつ)

◆小雪(しょうせつ) 木枯らし一番の知らせが届き、北風が山から山を飛び越えていく。 北国では里でも初雪の便りが届き始め、本格的な冬が季節の戸を叩く。 小さな雪が大きな雪に。 日ごと雪ごとに季節は進む。 小雪とはそんな季節 森は眠りにつこうとしてい…

夏から秋への散歩道

雨上がりの朝の河原の散歩道 釣りをするために誰かが整地したのか、草むらの一角に開けた場所に 傘をさしたキノコが整列していた。 触れれば壊れそうなキノコの家族だ。 お父さんとお母さんが、雨粒から子供たちを守っているかのよう。 大きなお姉さんとお兄…

ちょっと楽しみな通勤路

運河沿いの通勤路に、自然に生えたであろうクスノキの若木が育っていて、去年もいたよなとのぞいてみると、いたいた! 去年に続いてこの小さなアオスジアゲハが元気に育っていた。 アオスジアゲハの幼虫はクスノキが好きだと子供のころから図鑑で読んで知っ…

朝の散歩道

早朝の河原を歩くのは本当に気持ちがよい。 いつもの人とすれ違い、今日もおはようございます。 明けの空の光に照らされる野の草花は命に満ち溢れどれもこれも輝いて見える。 ごとんごとん。 鉄橋を電車がわたっていく。 誰かを載せて。 通勤の道もまた楽し…

次の世は

コロナの緊急事態宣言の範囲が拡大されてきた。いつまで続くのか残念ながら嵐はなかなか収まりそうにありません。ほんとうに自分で注意するしかないのだなと思うこの頃です。 今までも人類は数数えきれない感染症に出会ってきた。今、感染症の正体は最近が引…

第二十五候「 蟷螂生(かまきりしょうず)」ー精いっぱい生きているー

その冬の降雪を占うといわれる蟷螂の卵も、いつの間にか緑に覆われ見当たらなく頃、小さな命が森に放たれる。 草の茂みをかき分けると、いろんな生き物が精いっぱい生きている。 がんばれ! もう少しで届くぞ。 カマキリやカタツムリだけじゃない。 上へ上へ…

七十二候「蟷螂生」命の季節

蟷螂生(かまきりしょうず)に入った週末 熱くなってきたが、空は雲に覆われ日差しはなく、カンカン照りは避けられそうなので、低山もいいかなと考え、生き物たちに出会いがたくさんありそうな、葦毛湿原(いもう)をぐるりと回る、二川駅からのコースを訪れ…

「味」秋山 徳蔵

一冊の本を紹介された。 「味」秋山 徳蔵 明治生まれの一人の料理人で、宮内庁大膳職主厨長。 しかし、本とは面白いものだとつくづく思う。 一人の男の考え方、感じ方。 しかも、大正生まれての方の見聞き、体験されてきたことを 数十年たった今、追体験する…