のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

霜降(そうこう)の三の峰「新しいノートを書くように」

下り道 色を拾い集めながらゆっくりと下り始める。 秋の山は色集めが楽しい。 一粒、二粒と落穂ひろいのように丹念に拾い集める。 高度を下げていくと白から黄色へと色が変化していく。 木々が織りなす素朴な色が心に染み入り、記憶のノートに蓄積していく。…

霜降(そうこう)の三の峰「季節を渡る」

白の峰へ 紅の森から、白い峰へ向かう。 青い空にそびえる峰は、天から舞い降りる白い衣に覆われようとしていた。 遠くに見上げていた最後の急登を上ると、真冬の白一色ではない、不思議な世界が広がっていた。 赤と白 キラキラと光る赤と白 深い雪に埋もれ…

霜降(そうこう)の三の峰「歩む」

幅ケ平から再び谷に下り、三ノ峰を目指す道に取り付く。 ここからはしばし急登が続くが、行く先には冬に向かう草花が迎えてくれ楽しませてくれる。 ゆっくり、一歩一歩足を前に出す。 野山を歩くのは、人生を歩くのと一緒かもしれない。 小さな一歩だけれど…

霜降(そうこう)の三の峰「幅ケ平のこと」

幅ケ平のこと。 三ノ峰を目指すには遠回りになるが、打波川を渡り刈込池を目指すことにした。 刈込池は、幅ケ平と呼ばれる森のなかにあり、三ノ峰の南東にそびえる願教寺山の崩落と浸食により台地上の緩斜地が広がる。 流れ込む水の流れはあるが、注ぎ出る流…

霜降(そうこう)の三ノ峰「余韻」

「西高東低の冬型の気圧配置となり風強く日本海側は雨が降り」 ラジオから流れる天気予報は冬の訪れを告げていた。 日が暮れ、満月の空を見上げながら夜明けを待つ。 気温はぐんぐん下がっていく。 霜降「高地から順々に霜が降り始める時期」 第五十二候「霜…

霜降(そうこう)の三ノ峰「鳩ケ湯断層を上る」

暦は霜降に入り、先週末に小屋締めとなった白山は、週末に初雪が舞ったと聞く。 あとひと月もすれば里も雪で覆われていき、ハンターカブで通うも困難になってくる。 田畑も収穫が終わり、感謝の祭囃子が聞こえてくる。 今回は、南西の登山道である、上小池か…

森の展覧会

大きな岩にたくさんの蔓が一生懸命這い登っていた。 その姿を見たときになぜか一枚の絵のようだと思った。 蔓と蔓が協力して一枚の絵を描きあげた。 なんでもない風景として、足早に通り越すのではなく、 きょろきょろしながら そして、いろんな生き物に語り…

秋の小秀山「下り道」

天が灰色に染まり始め雲が沸き始めた。 天候が変化してきた。 10月に入っても暑い日が続いていたが、この天気の崩れとともに一気に冷え込むと予想され、山の秋は終盤に向かう。 お日様が隠れると、色とりどりだった森は急速に色を失っていった。 色とはお…

秋の小秀山「感謝の道」

滝の注ぎ口に一株の白い花が咲いていた。 その花びらから滴った水が、あつまり水しぶきとなって谷を下る。 傍らには赤く色づき始めたナナカマドが季節の変化に戸惑ったように風に揺れていた。 渓谷に遅い光が差し始め、飛び行く前の綿毛を揺らす。 この株は…

秋の小秀山「渓谷の朝」

川沿いの公園の片隅に一夜の宿を借り、夜明けとともにテントを畳みハンターのセルを回す。 秋から冬への変化を探しに、御嶽山系阿寺山地にそびえる小秀山を訪ねた。 標高約900mにある登山口の早乙女渓谷キャンプ場は9月末で営業を終えていた。 ひっそりと…

錦秋の御嶽開田道「またくるね」

女人道から行者小屋への道は、沢山の行者さんが御嶽さんへと通われる道は、よく整備されれていて、とても歩きやすい。 ありがたいことです。 下り始めてほどなくして行者小屋 まだ時間もあるし、名物の「力餅」を頂いていこう。 「ぜんざい、きなこどちらに…

錦秋の御嶽開田道「荒々しく美しい神の山」

2014年の、あの噴火の秋から今年で7年を迎えた。紅葉のしかも一番人の多いい時と時間のめぐりあわせ なるようにしかならないといつも思いながら、今の一瞬を悔いがないように 過ごしているかと、考えてしまいます。 午後になり空気が温められ、雲が上が…

錦秋の御嶽開田道「秋から冬への通り道」

7合目の避難小屋跡を過ぎると、次第に樹高が低くなってきた。 足元に白い実があちこちに広がり始める。 つまんでみると意外に柔らかい。 ちょっと口に含んでみた。 以外にも甘い。 でも後味がへんだなと吐き出した。 ◆白玉の木【ツツジ科】 別名:シロモノ …

錦秋の御嶽開田道「光の道」

標高1500m前後の開田の登山口からしばらくは、苔で覆われた森が続いていた。 ゆっくりと静寂の森を楽しみながら足を進める。 森を抜け稜線に出、左右に明るい空が広がり始めると、森が明るくなり林床の様子が変わってきた。 森はどこまでも続く。 開田道は…

錦秋の御嶽開田道「森の奥へ」

早めに仕事を切り上げ都会の喧騒から抜け出した。 日が暮れた国道の温度計の表示は、いつしか20℃を下回り始めた。 開田の登山口から数キロの地点で適当な場をを見つけて寝床を作り、暖かなシュラフに潜り込んで耳を澄ませた。 冷え込んだ初秋の高原の朝 目…

高崎「染色植物園」

人は自然界の様々な万物から色を取り出し、調合することを知ったのはいつの事なのか。 植物から抽出した体液に糸を浸して染め上げ、焙煎という化学反応が生まれることを発見し。 千差万別に色を生み出す。 それは神の領域に足を踏み入れることと等しいのでは…

高崎にて

飯でも一緒に食わないか。 出張のついでに、一年前に家を出た子供の顔を見に高崎に足を延ばした。 高崎の町は、中山道と三国街道の分岐の町とし栄え、発展してきた。 ゲストハウスのこと 昔はユースホステルを利用して各地の旅を楽しんだものだけれども、最…

二ツ森山「つい微笑んでしまうとき」

この季節、野山を歩いていると、見るからに弱弱しい飛び方なのに、何千キロも旅をするという蝶に出会う。 旅をする蝶アサギマダラだ。 アサギマダラが旅する蝶だと始めて気が付いた人は誰なんだろう。 自然界は驚きでいっぱいだ。 小さい視野だけで物事を見…

二ツ森山「めぐること」

長い長い移ろいを見つめてきた老木はその寿命を全うしていた。 そのあとには、今後様々な次代の命のもととなるであろう。 地球は回る。 宇宙も回る。 命も回る。 水も回る。 輪廻、因果応報という言葉が森に入ると実感としてすっと心に響く。 エネルギーは一…

二ツ森山:川のぼる

静かな山を歩こうと、初秋の近場の山を歩こうと選んだのは コブが二つと特徴的な二ツ森山 確か春に来た時も緊急事態宣言かだったけど、ほとんど誰にも会わなかったな。 農作物は神様からの頂き物 雨・風・水・気温・鳥獣た虫たちとのバランスを願い 命をつな…

恵那山:野山のこと

久しぶりに繰り出した野は、秋の花色があちこちにあふれていた。 春夏秋冬 四季折々の花が咲く。 野には、人知れず花が咲く。 葉っぱ 葉っぱにはいろいろな形がある。 人、動物生き物にはそれぞれの顔があるように、いろんな形がある。 空を見上げる枝にもい…