幅ケ平から再び谷に下り、三ノ峰を目指す道に取り付く。
ここからはしばし急登が続くが、行く先には冬に向かう草花が迎えてくれ楽しませてくれる。
ゆっくり、一歩一歩足を前に出す。
野山を歩くのは、人生を歩くのと一緒かもしれない。
小さな一歩だけれども、ゆっくりと足を前に出すだけで、どこまでもどこまでも進んでいける。
すごいよなと、時々思う。
稜線に出ると、目指す三ノ峰が木々の窓から白い姿を現した。
届くかどうかわからないけれど、どんな景色が待っているのか、どんな出会いがあるのか、あの頂まで行ってみよう。
日々の暮らしの中で踏み出す一歩と同じ。
ただ、一歩前に進むこと。
単純なことを繰り返すのがむつかし事もある。
振り返ると、たどってきた道が続いていた。
山あり、谷あり。
一歩一歩足を踏み出して進んでいく。
ただそれだけ。