飯でも一緒に食わないか。
出張のついでに、一年前に家を出た子供の顔を見に高崎に足を延ばした。
高崎の町は、中山道と三国街道の分岐の町とし栄え、発展してきた。
ゲストハウスのこと
昔はユースホステルを利用して各地の旅を楽しんだものだけれども、最近はゲストハウスがあちこちにできて、人気だという。
子供が利用してとても楽しそうに話すので、昔を思い出して泊まりたくなり、「灯り屋」さんに連泊させていただくことにした。
高崎駅の周辺や東側は再開発が進んでいるが、西側は昭和を感じさせる、古い街並みが数多く残っており、灯り屋さんはそんな街に溶け込むような場所にあった。
こんにちは、お世話になります。
宿の植え込みには大きなザクロが秋色に染まり始めていた。
一階の猫を飼っていますが、大丈夫ですか?
大丈夫ですよ。
予約の時に、そんなやり取りで始まった、のんびりした雰囲気で家に帰ったような感じ。
自炊されますか?
今回は子供と食事を予定しているので、利用しなかったが、自炊の時は調味料なども貸してくれるという。
確かにそういった、ちょっとした心遣いが便利だったりする。
銭湯に行ってきますね。
石鹸、シャンプーありますか?
無ければ、うちのをもっていって。
あ!
そういえば銭湯は持参のところが多かったんだ。
案内頂いた、浅草湯は100年を超える老舗の御風呂屋さんだった。
100まで数えるまで上がっちゃダメ!
小さいころ言われていたのを思い出す熱目の湯で、なんとも気持ちがよい湯加減でした。
こんな街並みも次第に変わっていくんだろうな。
なんだか懐かしいような、街並みの風景の火照った体に気持ち良い風を受けながら、カランコロンと下駄の音を響かせながらのんびりと街歩きを楽しんだ。
そうそう、高崎の町は大地にあり、昔から水の争いが絶えなかった場所とのこと。
この「円筒分水堰(えんとうぶんすいせき)」なるものは下から水が沸き上がり、四方の水路に均等に水を分配するのに考案されたという。
上手く考えられたものだな。
大切に整備され、今でもこんこんと水が沸き上がり、四方に水を送り続けていた。
知らない土地を旅をして、その町の息遣いをちょっとだけ感じる。
やっぱり旅は楽しいな。