のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

彼岸の開田道 大地の時間

何万年ものそのまた昔

地中の奥深くから押し出された溶岩は大空に向かって吹き出し

冷やされ岩の大地が広がった。

そこに、一粒の種がどこからか飛んできた。

一粒、二粒、三粒

やがて種は子供を産み、

そのまた子供も子供を産み

どんどんと増えていった。

やがて大地が緑で覆われ植物が住めるようになったが

岩だらけの厳しい台地に根を下ろせるものは

ほんの一握りのもの先駆者たちだけ

彼らは力を合わせ

時をかけ大地を覆いはじめ

あるとき水をためる知恵を持つようになった。

やがて草が生え、木が茂るようにはなったが

この地で生きられるものはやはり一握りだった。

大地の時間はとてもゆっくりだ。

そして私たちの時間はとても短い。

森の移り変わりの物語

これからどんな風に変わっていくのか

ゆっくり、ゆっくりと

移り変わる

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