紀伊の半島の真ん中にぽつんと開けた場所がある。
人里から隔離された熊野の地に神が降り立ったのは遙か昔のこと。
その痕跡を感じ、残り香を感じるように人々は峠を越え、尾根を渡りここに参る。
過去から未来へ、人の生活は変わろうが、川の流れのように
なにかを人はこの場所に感じ、世界中から「くまの」に人が集まる。
昨晩は河原で一泊したが、朝早く、どーん。どーん。
と太鼓が打ち鳴らされていたな。
毎日とぎれない儀式。
終わらな営みがゆったりと流れる。
心地よい時を、ゆっくりと感じたい。
いそぐ旅ではないし、このあたりでもう一泊するかな。