奥物部の森は、ここから河童さんたちとのお付き合いが始まった。
初めて訪れたのは、2012年春だから、もう7年も前なんだ。
あれからこの森を訪れたのは何回目かな。
もう片手はこしたと思う。
あの窪地がヌル谷で、その横が門番の大ツガ
あの稜線で満天の星空の元、寝袋にくるまって夜を明かしたね。
雪深かったあの冬に、必死によじ登って稜線にとりついたのが、あの伐採跡あたり。
大体の山容や地形がぼやーと頭に入ってきた感じです。
山では、道がわかりにくい場所もたくさんあり、大きな木、大岩などの目印を覚えておくとよいと教えてもらっています。
tochikoさんが、沢沿いにそびえる大栃に、声を掛ける。
帰ってきたよ、こんにちは。
この大栃はたぶん、tochikoさんを認識していると思うね。
世の中には、人知を超えた不思議な現象が多く見られることもある。
トチのみって、渋抜きしなかったらどんな味なんだろう。
カジってみると、渋苦い味が舌の奥にまとわりついた。
動物たちのごちそうだけど、人はそのままではちょっと難しかった。
渋みって、しばらくぶりの感覚だった。
最近は柿も渋に当たることもなく、渋みを感じることも少なくなったな。
この世界にはまだまだ分からないことが沢山あり、分からないことに気づくことが面白い。
現象を見るのではなく、源流を見るように心がけたい。