緊急事態宣言も徐々に解除され、コロナの罹患者数も落ち着いてきた。
県外への移動はもう少し我慢しようと、近場の鈴鹿山系の藤原岳に出かけてみた。
登山口横の社に朝のお祈りに行くのだと、年老いた老婆は身振で教えてくれた。
行ってきます。
前から訪れてみたい場所でしたが、名古屋方面からだと便利にアクセスできるようになり、マイフィールドの予感もします。
駅のすぐ横が登山口というのがとてもよい。
急な九十九折の道を、いっぽいぽ歩を進める。
うっすらと汗ばみ、時折吹き抜ける風が心地よい。
これがいいんだよな。
ウサギの耳のようなアオダモの葉もまだ、よく来たねと笑いかけてくれているようです。
あまり日が差し込まない、登りはじめの林縁も、時折顔をのぞかせてくれる草花などが語りかけてくるようで、つい見入ってします。
なんでもない、ありふれた風景なんだけど。
なんとなく、あたたかな気持ちが胸に広がる。
風を感じ
木々のざわめきを感じ
鳥の声を聴きながら
のんびりと歩くのはいいもんだな。
いつでも待ってるよと、貫太郎もちょこっと顔をのぞかせてくれた。
変わらないね。
だだ、そう思った。