島田での仕事が終わってそのまま、渥美半島の先端の伊良湖岬を目指した。
いくつかの台風が通り過ぎ、秋の訪れとともに夕暮れが早くなり真っ暗な中で浜辺にテントを張った。
夜半過ぎから、点々と釣り人が浜辺に集まり、黙々と竿をふる。
その姿を眺めながら空を見上げる。
お!
旅立ちだ。
半島の照葉樹の森の中から次々と、鷹が海に向かって旅立っていく。
前から一度訪れてみたかった、鷹の渡りで有名な場所
毎年9月下旬から10月中旬にかけて、鷹たちは、伊良湖水道を渡り志摩半島を経由し南へ南へと旅立っていく。
大きく羽ばたきながら天高く舞い上がっていき、鷹柱となり空を舞い風を待ち
タイミングを見て、一羽一羽と飛び立っていく。
あ、行った。
頑張れよーと、思わず声をかけてしまいます。
はるか遠く琉球列島や東南アジアへと旅するという。
小さくなるその姿を眺めながらなんだか切ない気持ちがあふれてきて、姿が小さく小さくなるまでその姿に見入ってしまった。
来年またおいでね。