誰に媚びるでもなく。
一輪一輪が、凛とした個性を醸しだし、自分を主張している。
それでいて、お互いに響きあい、歌いあう森のオーケストラ。
森の音楽会が始まります。
この日の指揮者は、イカリソウ。
指揮棒を、風にゆだね、心のままに皆を導く名手です。
指揮者の思いのままに、細い細い旋律を奏でる者。
時々、後ろから大きな音でインパクトを与えるもの。
一糸乱れぬ弦楽奏者達。
自由奔放に、白紙だった楽譜を埋めていく。
水の音。風の音。鳥の声。
遠くかすかに海の声。湖のさざ波の音。
天から降り注ぐ光の幕が上がるとき。
森の音楽会の幕が開く。