伝説の銀の龍
鱗を纏い、鎌首を擡げるその姿に人は、銀の竜を想い
いつしかその名を「銀竜草」と呼ぶようになった。
やや湿り気のある山地に生え
集団でこちらを見ていることがある。
梅雨で雨模様の週末だったが、少しずれて晴れ間も見えそうな休日
新緑の大日岳は、銀の竜の回廊のように両側から竜がこちらを見ていた。
茎の高さは、手の平を広げたぐらい
葉の退化した鱗片葉が小さな手足を思わせ、
つくづく竜に似ていると見入ってしまう。
なんとなく、キノコの仲間だと思い込んでいたがイチヤクソウの仲間だという。
葉緑素を自ら持たず、共生する菌類から養分をもらい受けるという。
花が咲き終わると、花は球条の液果となり
茎が倒れるとつぶれて種子が撒かれるという。
また、夜の森の中で月明りに薄く照らされる姿は
神秘的でもあり、またの名を幽霊だけとも呼ぶ。
新緑の森の道
こんなにも沢山の銀竜草が続く回廊の道は初めての体験でした。