滑り込みで 弥陀ヶ原の最終バスに乗り込み、初めての立山「室堂」は、ひっそりと静まり返っていた。
冷たい湧き水でのどを潤し、今晩の宿に向かうことにする。
あたりを包む、しっとりと、そしてひんやりとした空気を大きく吸い込み。
大きな池には、凛々しい山容が映りこんでいた。
ゆっくりと、山容の影が広がっていく。
立山は、火山が作り出した山
地が呼吸する山
風向きによって、有毒なガスが届く範囲で生を続けることが出来るものは少ない。
夕方だからか、風も下から上に吹いていて、気を付けて息を吸い込まないと咳込んでしまいそうだ。
ここは、足早に抜けるのがいいだろう。
今晩の、幕営地が見えてきた。
梅雨明けの幕営地は、カラフルなテントで埋まっていた。
さあ、どのあたりに貼るのがよいかな。
せせらぎの聞こえる、川のそばに腰を下ろし、コーヒーを飲みながら、ゆっくりとした時を楽しむことにした。