今回は、出張に絡めてのパッキングを考え、必要最低限、そしてコンパクトを一番に考えてストックシェルターをチョイスし食材もシンプルなものを試してみた。
時と場合で装備を変える。
いろいろ試して、試行錯誤してみるのがまた楽しい。
簡単な夕食を終えたころ、山塊から光が現れた。
今宵は満月がだったのか。
下界にいると、空を見上げることがついつい少なくなってしまう。
ゆっくりと月が昇り、昼から夜へとバトンが手渡されていく。
一番星が光り始めた。
たくさん歩いた一日だった。
さあ、寝床につこうか。
谷川のせせらぎを聞きながら、大地に包まれていくように、心地よい睡魔が襲ってきた。
山の朝は早い。
中腹、いや稜線にもちらちらとヘッドランプの光が光る。
朝焼けを楽しむため。
見上げるアルプスの山を、まだ歩いたことはないが、これからの夏の時期、昼からの行動は雷の危険を伴うため、早朝からの行動が基本となるという。
シェルターは、夜露でしっとりと湿っていたが、快適な眠りだった。
この一枚の布ってすごいものだなと改めて思う。
寒かったなーと、近くのテントから声が聞こえてきた。
たしか18のころ、私も上高地で初めてテントを張ったときは、寒さでふるえたな。
でも、いまは、数多くの経験をさせてもらい、状況を予測し取捨選択し、快適な遊山を楽しめるようになってきたように感じる。
夜があけてきた。
さあ、いこうか。