あ、通行止めだ。
鳩ヶ湯温泉までで、道は閉ざされていた。
登山口のキャンプ地まで行きたかったのですが、仕方がないな。
どこか適当な場所を探すことにしよう。
どこにしようかな。
雨の後だから、地面の状態のよいところが良いな。
横道にそれ、探していると土砂崩れで行きどまりとなっていた。
これじゃあ、車も来これないし、ここに張るか。
土砂を防ぐ庇の下にテントを張った。
野宿をするとき、どこにするか昔は結構迷ったが、それなりに経験?を積んでくると
匂いでなんとなく、張る場所が早く決めれるようになってきた。
子供のころは、家の庭でテントを張ったり、軽トラの後ろの幌の中で寝てみたり。
バイクで、日本を放浪するようになってからも、適当にテントを張ったりしたなあ。
よく考えると、もう50も半ばなのに、やってること(すきなこと)は変わらないものだ。
ちょうど堰堤の横だったので、ごうごうと、大きな音を立てながら流れる場所だったが、なぜか心地よい音に感じて、深い眠りにつくことが出来た。
目が覚めると、前日の雨で湿気を含んだ空気が冷やされ、草花たちがきらきら光っていた。
さあ行くか、手早く荷物を畳み、朝日が谷に差し込んであろう景色を楽しみに出かけることにした。
谷に朝日が昇る。
一日が始まる。
何があっても、日はきちんと登ってくれる。
光の向こうに、神の山「白山」が白く輝く。
また来ます。