のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

地が交わる場所 仙水峠

日の出とともに、北沢駒仙小屋のテント場立ち

谷沿いに北へと向かっていく。

この谷は、数年前の台風で大水が出て荒れてしまい、

今なお傷跡があちこちにみられる。

今年の紅葉は遅いと言われているが、

9月も最終週に入り、ほのかに色づき始めてきたようだ。

谷から稜線を見上げると、日が差し始めたようだ。

見上げる今日のガスの様子、時間と光の加減、岩場の様子、森の予想

稜線を登っていく右回りか、谷を詰めて登っていく左回りかと悩んだが

ぐるっと一回りした感覚だと、私は左回りで正解だったような気がする。

始めて歩く道だけれど、思いのほか、残り花が少ないようです。

秋と言えば、あちこちに赤、青、黄色と小さな実が楽しませてくれるけど

この山の山麓はあまり出会うことが出来そうになさそうです。

しばらく歩くと、仙水峠との中間地点にある、仙水小屋が見えてきた。

この山域には、あちこちに山小屋が点在しているのには本当に驚きます。

便利さと人の多さは比例しているんだろうな。

裏にテント場があり、水場も使わせてもらえるようなので、

すいているこちらでのテン泊もよいかもしれない。

小屋を過ぎると、ツガの森に入っていくと思ったら、

急に視界が開け岩稜帯が目の前に広がった。

凄いな

緑の森に囲まれるように、岩稜帯広がる不思議な光景です。

見下ろす、両方の谷の岩稜の底部は、そこだけ湿地が広がり木々が育っていた。

大量の雪も降るし、厳しい環境なんだろう。

どの木も小さく痩せている。

地質を調べてみると、仙水峠を境にちょうど地質が分かれている境目だということが

分かった。

そうか、ここはせめぎ合いの場所なんだ。

白くそびえる、甲斐駒ヶ岳の摩利支天は花崗岩

そして、こちら側は堆積岩だということ。

花崗岩は、マグマが固まりできた岩石で、堆積岩は流された土砂が堆積してできた岩石

その二つの地質が交差しせめぎ合う、こんなにはっきりした場所なんだ。

今から稜線まで小一時間急登を行くことになるので

ちょっと、峠で腰を下ろし一休みし、下方にどこまでも広がる雲海を眺める。

いい景色だな。