南竜より東の空を望むとほのかに明るくなり始めた。
朝5時、雲の中にあっても、夜は開ける。
夜明けとともにテント場を後にする。
昨日下ってきた室堂への登り返す。
室堂への道は4本の道がある。
今回はエコーラインと名付けられた花の道を行くことにした。
谷から急登となるが、多くの人が通るため道は整備されておりとても歩きやすい。
屈みこみ朝露に濡れた白山フウロを覗いてみる。
おしべがツンと別れていてアンテナみたい。
虫たちが活動し始めるのは日が差し始めたからだ。
もう少し待っていないといけないね。
花にはいろんな形があり、それぞれに友達を持っている。
仲良く競い合いうまいこと混じりあう。
見習わないといけないね。
チングルマの花は終わり、綿毛が乳白色の雲の中に揺れていた。
高山の夏は早い。
ボヤっとしているとあっという間に過ぎていく。
綿毛も素敵だけれど、花の時は白い花びらがさぞ素敵だろう。
夜露に濡れ、朝霧に包まれしっとりと濡れそぼる草花
厳しい場所で育つ高山の草花
夜露の恵み全身に受けて生き生きしている。
小腹がすいてきたな。
軽く食事をしようかな。
1人の気軽な旅なので、どこで食事にするかも気分次第で自由に決める。
早朝のこの景色を楽しみたく、テント場での食事とせず、歩き始めた。
静かな時間が流れる。
風に乗り朝霧が揺れる。
遠くで岩ひばりの声が聞こえる。
おはようございます。
テント場で一緒だった大学の山岳部であろう子供たちが、足取り軽く追い抜かしていった。
楽しそうだね。
好いことがありますように。