のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

冬季閉鎖前の白山平瀬道:通うことで感じること

標高2000m付近、北側の日陰で3週間前に降った残雪がちらほらと現れ始めていた。

下りの時にアイゼンを外すタイミングを考えながら登る。

アイゼンは安全でもあるが、引っかけたり、つまずいたり、転倒の危険もあり

装着のタイミングは地面の状況を見極めながら適切にと教わったのを思い出す。

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森林限界を通り越し、草花たちの境界に入っていくと、短い夏を越した色とりどりの花々はなく、枯草色に染まった実が風に揺れていた。

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日本海からの湿った空気による大量の降雪に風雨により生物が生きるには過酷

それゆえに、この環境に耐えられる強くも弱い生き物たちがこの地に細々と根付いている。

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来年は、南竜馬場のテント場も期間限定でなく使えるはず。

大体の時間感覚と小屋の状態や位置関係も把握できて来た。

来年は白山を中心に通うのも楽しいかもしれない。

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通うことで、同じ景色でも見えてくるものが変わり、出会いや驚きが増える。

そういう体験をしてきた。

山麓のブナの森、ダケカンバを過ぎて低木地帯に出、草花が生い茂る白山は変化に富む。

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小屋締めの終わった、室堂平が見えてきた。

今日は暖かく穏やかな天候だが、これから厳しい季節に入り、大量の雪に埋もれていき、訪れる人もぐっと少なくなる。

福井県側のメジャーな登山口である別当出会いのつり橋の板も、もうすぐ取り外されると聞いた。

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雲が増えてきた。

寒気の影響で午後から所により雷雨もあり得るという。

今日はここまでにしよう。

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谷向こうに別山が見える。

初めて室堂を訪れたときには、ただ山名標識を見るだけだったけれど

実際に歩いた景色や音に匂い

下った谷底の南竜山荘での宿泊をに泊ったことを思い出し眺めてみると

やっぱり違う感覚がする。

通うって面白い。

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