エンジンをかけ、川沿いの堤防へと駆け上がると、東の空が朱色に染まっていた。
ツーリングの朝はいつもこんな感じだった。
ならし運転の500km
12月初めにはまた、試験が待っているので、早めにならしを終えておきたい。
名古屋からは四方にみ道が伸びている。
今回は、昔よく通った御嶽に向かって国道19号線を北上していけるところまで行ってみることにした。
北上するにつれ、木々は紅葉し空気がひんやりとしてくる。
そうだったな、しばらく忘れていたが、バイクに乗っていると、音や空気がダイレクトに響いてくることを思い出す。
エンジンに気を使いながらも、ぐんぐんと高度を上げていく。
その昔、御嶽には本当によくスキーに出かけていたものだ。
お金がなくて、一週間車の中で泊まり込んでひたすら滑っていたり。
そして、スキー部を作った時からは、初合宿はきまってここだったな。
よく泊まった宿はどうなっているかな。
覗いてみると、廃業されてしまっていた。
続けることって、むつかしいな。
あの噴火があったあと、まだ発見されていない方もいらっしゃる頂上付近
やっと頂上まで登れるようになったが、今年も発見には至らなかったとのことだった。
あと、1か月もすると、あたりは雪に閉ざされる。
昔は初めてのたどった道ばかりだったところが、年月を経ると思い返す道になる。
そんな旅もいいものだな。