のろやま

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山笑う

山笑う

 日本大歳時記(講談社版)には「出典は中国宋代のころの禅宗の画家郭煕『春山淡冶たんやにして笑ふが如く』にあるという。
『冬山惨淡として眠るが如し』に対比される形容で、絶妙の喩たとえである。
褐色の生うぶ毛げに蔽おおわれたような早春の山々の木々が、次第に潤みを帯び、春の日に照らされて山そのものが笑みを浮かべているようだという。

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山麓のは咲き乱れ、風に舞い始めた。

たくさんの笑い声や、笑顔があふれるであろう季節だけど、今年は控えめに出会いや別れを喜び悲しむ。

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見上げる山は、雪は次第に消え始め、残り雪が名残惜しく感じ始め山は眠りから覚め始めた。

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ゆっくりと、それでいて足早に。

淡い優しい面影を見せてくれる。
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山が笑っている。

ほら、ひそひそと喜びの、笑い声が聞こえてきませんか。

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