太陽は大気を温め、空気に対流を起こす。
水を温め蒸発させ、雲を作り出す。
夜の間に冷やされた空気は地に下がり、雲海となる。
日が上り始めると、次第に大地と空気は温められ、次第に雲の海は消えていき
一旦、大気の中に吸収された水たちは、だんだんと温められた大地は空に向かい始めた。
晴れの確立が少し増えてくるのは、9月に入ってからかな、富山の友人に言わせると、「今日ははれてる!」というと、雲があるじゃないかと言われるらしい。
北陸地域はなかなかすっきりとした晴れ間の期間はとても短いという。
雲が沸き始めた。
太陽からの大量の熱量を受け止めた大地はあたためられ、木々は活発に呼吸を繰り返した証拠。
むっとするような、夏の匂いがたち始めた。
太陽の熱量というのは本当にすごいものです。
もくもく、もくもく
どこからともなく現れる。
まるで魔法を見ているようだ。
そういえば、夏休みの家の手伝いは、朝夕の庭の植木への水やりだったな。
山に育つ生き物たちには毎朝の水やりも自動的ということですね。
まったく、うまく出来ているものです。
かつて、誰もがいつも無意識に感じ、大切にしていたこと。
山を歩くと、日頃忘れかけている、地球の大きな流れを感じることが出来ると思う。
そんなことは、おかまいなく、雲はもくもくどんどん大きくなる。
夏の入道雲が誕生する瞬間だ。
暖かく軽くなった、空気の流れにのって上に上に集まろう。
手をつなぎ、集まって、大きくなるぞ。
人はその雲を、坊主頭の化け物「入道雲」と読んだ。
あちらこちらで入道が誕生だ。
すごいな。
山小屋のスタッフの方も思わずつぶやいていた。
日がまた沈むころになると、次第に暴れ入道は落ち着きを取り戻し、どこかに逃げていく。
風が強くなってきた。
太陽が隠れると、凄まじいスピードで急速に大地は冷えていき、温度がぐんぐんと下がり、雲は地上に帰っていく。
この繰り返しに素直に流されていくのも時にはよいものだ。
天に身を任せ、太陽に身を任せ、人は生きてきた。
空の彼方には、御嶽山が姿を見せてくれた。
合掌。