のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

なあに?何か言いたいの?

いー

何かを伝えようとしているのか。

どこか人を思わせる狛犬の顔に見入る。

人のよりどころであった神社の多くは、人とのつながりが薄れ

人の心から忘れかけられている。

それでも、誰かが少しの掃除をされたりしている痕跡を見ると

なんだかちょっとほっとする。

見上げる階段の先で出会った狛犬は、

忘れないで

それともほかの

何かを訴えているような切ない顔つきをされていた。

胸に掘られたかすかな文字の跡は何を伝えているのか。

額から汗が流れ落ち

金づちの一振り一振りに思いを込めて打ち付ける姿が目に浮かぶ。

後ろ姿はどこか遠くを見ているような

はるか海のかなたを見ているのか。

福知山市大江町公庄「熊野神社