街道沿い、行きかう人を見守る野仏に出会った。
その野仏たちはなぜだか、首が変わっていた。
その顔を覗いてみると、何事もなかったようにすまし顔だった。
横を向いたり、ちょこんと自分でそのあたりの石を拾って
急いでくっつけたりしたように。
でも、それがなぜだかとてもしっくりしている気がします。
地蔵様は、村々の境界などでそっと人を見守ってくれていりゃっしゃる。
人はその前を通るときに、手を合わせ
急いでいるときでも軽く会釈したりしてきた。
時は流れ
道の往来が加速度的に早くなった今
道の横でそっと見守ってくれている、
地蔵様に気が付くことが出来なくなってきている自分がいる。
ときどき
少しだけ
時の流れをゆるりと落とし
お地蔵様に頭を下げる。
そんな旅をするのも悪くない。
知らない土地を訪れる。
そこを通り過ぎた時を思う。
なんとなく、そんな時間が心地よい。