雲との境目
段々と霧が薄くなってくる。
誰もいない道を楽しみながらゆっくり、ゆっくり下界へと降りていく。
朝の空気はひんやりと気持ちがよい。
朝日とともに、朝食に出かける鳥たちの声が谷あいにこだまする。
ケケケケケ
アカゲラのつがいが楽しそうに、飛び交わし、鳴き交わす。
いつもは単独で過ごす鳥も、この季節はペアを選び一緒に行動するものが多い。
新緑の森は恋の季節
谷川で顔を洗っていると、目の前にミソサザイがやってきた。
ビーピピピ
ミソサザイもつがいだね。
山芍薬が咲いていた。
まるで、花嫁さんが結婚式のときに被る「綿帽子」
初めて出会った山芍薬
優し気な花は人知れず、ひっそりと森に花開き、春の笑みを浮かべていた。