カサ、カサカサ
小さな枯れ葉の音のした方に目をやると、
素早く動く小さな個体が視界に入ってきた。
あ、いたいた
日本でシマリスと言えば北海道のエゾリスが在来種ということだけど、
移入されたものが野生化して、本州では現在、岐阜・新潟・山梨で定着しているという。
本土に広がる日本リスは灰褐色で、松ぼっくりを器用に食べてエビのしっぽのような
食痕をよく見かけるが、姿を見たのは一度だけ。
シマリスは寒冷地に生息し、ドングリなどを拾い集めて石の下などにため込むす油井があるといい。
冬雪が降り、ドングリが豊富なこの森を見つけて住み着いたのだろう。
見ていると、ぷっくりと膨らませた頬からドングリを取り出し、器用にかたい殻をくるくると向いて食べている。
うまいもんだ。
黒い目がくりくりっとして愛らしい。
このドングリを冬のたのみとして、小さな食糧庫としてあちこちに分散して詰め込み。
忘れられた実が、芽吹くため森の拡大に一役買っているともいう。
こうやって、いろんな種が混ざり合い
混沌としていく。
そんなことは、君たちの知った個チャないよね。
君たちは一生懸命ただ、生きているだけ。
そしてこの地を見つけただけだもんね。