白い山塊が衣を纏いそびえたつ。
これは。
この景色を見たくてみんなここに来るんだろうな。
白の山塊に取り付くには、小さな鎖場を何回か超えていくが
そんなに心配する場所はない。
春は里から、冬は空からやってくる。
もうこの辺りは季節が変わり始めている。
さあ、行こう。
白い岩肌を縫うように道が続く。
安全な巻き道を行くが、後で聞いた話だと、直登の道も
大したことないよとのことだった。
そちらの道はまた今度かな。
うわ、上の方人がいっぱいいるよ。
まあ、人気の山だし仕方がないか。
足元は次第にザレ場になり、歩幅を小さくし、
しっかりと足元を踏みしめながら歩を進める。
仙水峠から見上げていた摩利支天に雲が絡む
ため息が出るほど美しい。
山頂直下まで来たところで、お年を召した団体の方々に追いついた。
みんなすごいな。
好きなんだなー
そんな山頂は大賑わい。
いや、これは早々に退散しよっと。