のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

日々の暮らし-感じたこと

葭始生(あしはじめてしょうず)

水辺の植物も、ぐんぐんと育ち始め 空に鯉のぼりも泳ぎ始めた。 卵から生まれたばかりの生き物達が、草木に隠れ賢明に行きようとしている。 多くの危険に立ち向かい、立派な大人になる。 人も虫も、一皮むけるには、試練が必要なんだろうな。 過酷な試練を生…

祝福の歌声

若葉萌え始めた里山に霞がかかるような儚い桜が一気に花開いた。 山の中で若葉と融け合うい、夢の世界を見せてくれる霞の桜。 私はこの優しい色合いの霞桜が好きだ。 そして、数ある霞桜の中でも特別な一本の木があるのを私は知っている。 森のもののけたち…

夢のトンネル

真砂土のやせた山でも、たくましく育つ、くろんどの森の春の主役「コバノミツバツツジ」 冬の間静まり返っていた森が、春の日差しを受けてゆっくりほころんでいたが、 ミツバツツジの明かりが灯り、一気に明るくなりました。 この季節の裏山散歩コースは、秘…

そのものの名前は

かつて広大な寺社林を有した古刹「獅子窟寺」の近くに、八丈岩という大岩があり ちょうど、木々の梢とと同じ目線での風景を楽しむことが出来る。 カシなどの常緑樹、コナラなどの落葉樹、そして盛りがすぎた山桜の赤い葉など さまざまな木々達の織りなす春の…

瑞々しい

命の輪廻は途切れることなく、今年も続き大地から命が湧き上がってきた。 ■瑞々しい 「光沢があって若々しい。また、新鮮で生気があること」 世はまさに、生気がみなぎっているのが目に見えて感じ、 森はやっぱり生きているんだと、つくづく思う。 幾千、幾…

元気いっぱい

窓の外から見る、森の色合いが、刻々と変わっていくこの頃 ともすると、変化に置いて行かれているんじゃないかと心配している自分がいる。 つい10日ほど前 卵からかえったばかりの雛のような可愛らしい姿で芽吹き始めた森の木々たち。 触ると壊れそうに繊…

はじまりは雨

季節の変わり目にはよく雨が降る。 それは、地球上における日本という国土の特色でもある。 豊かな雨は守を育て、生命を育み養ってくれる。 すべての始まりは「雨」 冷たく、暖かく。 枯れ葉をぬらし、芽生えを呼ぶ雨。 雨は色も作る。 風雨によって、素敵な…

櫻守という仕事

「古代より日本の伝統の櫻は朱のさした淡緑の葉とともに咲く山桜」 「染居吉野ばかりが日本の桜ではない」と あまたある日本固有種・古来種を残そうと努力を重ね続けた 「笹部新太郎」の想いの私市植物園の櫻山には染居吉野はない。 ここの櫻山には、約50…

設計図

木の芽の折り紙の設計者は誰なんだろう。 カエデ とても素敵な手先をしていたんだろうな。 丁寧に折りたたまれた折り紙は、設計図通りに開いていく。 堅く閉じていた花芽がほどけてきた。 誰かが、ポンとスイッチを押したのかな。 ユリノキ うわ、ハナイカダ…

雨上がりのワクワク

雨上がりの森ってなんだかワクワクしない? しっとり湿った髪の毛から、滴る一滴のしずく。 とくに、萌え始めた草木の妖しい魅力がなんともいえません。 寒々とした冬の枯れ林から、命燃えさかる生命の森へ 一雨毎に生まれ変わる、まっただ中に入っていく。 …

楽しい季節

春を待ち焦がれた者たちに、祝福の時を告げる「はるこがねばな」が顔を出した。 まん丸の花芽が、ぱかっ!、ぱかっ!と音を立て開いていく。 我先に、遅れるな! 少しでも早く、手を広げ、太陽の光をたくさん受けようと、急に森が騒がしくなり始めた。 上を…

春の合唱

ねえねえ、妖精って見たことあるかい。 よく、絵本に出てくる妖精? そうそう、その妖精だよ。 一度見てみたいと思わない? うん、見てみたい。 よし! じゃあ、いっしょに春の森に出かけてみようか。 あそこ、あのぼーっと光っている木の下だよ。 あの木の…

光の卵

よーいどん 日に日に色が変わってきた。 ついこの間までは、凍りついた音のない世界だったのに ある日を境に、草たちがつぎつぎと産声を上げ始めた。 冬の間、ひっそりと小さく光り輝いていた宝石たち。 そのちいさな光の中には命が宿っていて、そとが暖かく…

白髪山「雄叫び」

頂きに上り詰めた瞬間、天から一転の光が差し込み一斉に世界が流れ始めました。 山と雲がせめぎ合い 山塊に雲がぶち当たり せりあがり雄たけびを上げる。 なんと壮大な景色なんだろう。 この瞬間に出会えてよかった。 来てよかった。 言葉もなく、ただただ、…

目覚め

御形(ごぎょう) 春の七草のひとつ。 七草粥の頃には、もっとちぢこまっていたが、ここのところぐんぐんと 大きくなってきました。 枯葉の布団を脱ぎ捨てて、暖かくなったなーと、次々と顔を出す春の草花たち。 秋から残っている、残り葉が春風にゆらりと揺…

産声

冬を越した越冬芽が一斉に産声を上げ、目覚め始める。 やがて小さなささやき声が、ざわめきに変わり大きなうねりとなって森を覆い始めた。 森の目覚めの時がきた。 長い冬をじっと堪え忍えたからからこその喜びの声。 あっちでも、こっちでも。 笑顔が溢れる…

宴の始まり

梅の薄明りのような景色は何とも言えない暖かさを感じさせてくれる。 桜の華やかさもいいものだけれど、梅の控えめな、優しささが私は好きです。 かすかな香りとともに、淡い光が天から舞い降り、冬がれた森の中の その場所だけに春が一足やってきたかのよう…

啓蟄(けいちつ)の畦道

とんとんとん。 とんとんとん。 もう春だよ出ておいでと、誰かが戸を叩く。 命あるもの、いっせいに目をさまし空に向かて大きな背伸びを始めるころのことを 古の人は「啓蟄」と呼んだ。 啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」 日が長く…

草木萌動(そうもくめばえいずる)

春雨降り、地ゆるみ始め、草木が一斉に芽生え始める。 しとしとと降り続ける雨は、雪を溶かし、凍てついた地を一気に目覚めさせる力を持っている。 生き物はどうやって春を感じるんだろうと不思議に思う。 だけど、人も春を感じる力を忘れてはいない。 日頃…

東熊遊山「山眠るとき」

■山眠る 平地では梅もほころび始めた「春立つ」頃 山はまだ深い眠りについていた。 より深く、山と近づきたければ より深く、森と友達になりたければ より深く、自然を感じたければ 神々の懐に包まれて眠りにつこう。 目を閉じると、風の音が山の声を運んで…

いろんな音

裏山に見晴らしの良い丘がある。 ひと歩きした後に、ここに来て、ゆっくりと流れる時間を楽しむのが好きです。 少しのおつまみと、お酒をもって きぬさんの味噌と交野の酒粕 そうそう、森の中に入ると、いろんな音が聞こえてきます。 身の回りにはこんなにも…

冬の里山の小さな楽しみ

季節はあっという間にすぎていき、年が明けて早くもひと月が過ぎ去ろうとしている。 もうすぐすると、気の早い小さな草花達が早春の訪れを告げてくれることでしょう。 尾根沿いのツツジの小道で気の早いコバノミツバツツジが蕾を膨らませていた。 春はもう少…

冬の雑木林

木枯らしが吹き抜ける冬の雑木林の小さな種は 森の動物達の命をつなぐ大切な食べ物 おいしいもの、日持ちのしない物から食べていくので 日に日に食べ物は少なくなり、今頃はほとんど無くなっているんだと思います。 ヒヨドリがヘクソカズラの実をつついてい…

じっと待つこと

冬、木々は夏の衣を脱ぎ捨て眠りにつく。 衣を脱ぎ捨てた跡には、小さな窓から外を見みる顔がのぞいている。 窓の中は暖かい暖炉があり、とても居心地がよいようです。 みんなにこにこ笑いながら、お話ししたり、お気に入りの本などを読みながら、春を待って…

冬の雑木林

冬の野山は、天気が変わりやすい。 今まで晴れていたと思ったら、さーっと風がふき、雲が広がると 瞬く間に凍えるような寒さがやってくる。 小さな木の根の洞を覗くと、気持ちが良さそうなベットが作ってありました。 夜にはここで、まあるくなって、スヤス…

あこがれ

見上げると、大きな大きな空が広がっていた。 ぼくもいつかあの空に飛び立ちたい。 水の中で過ごしてきたヤゴはいつも思っていました。 すこしでも、空に近づきたい。 あの空を飛んでみたい。 ある朝、そばにあった水草の枝をつたって少しだけ空に近づきまし…

雨音

私市植物園のお気に入りの東屋で、のんびりしていると、突然雨が降り始めた。 いくオクターブもの音が重なり合い、互いに語り合いながら 歌を歌う。 強く、弱く響く雨音が心地よい。 空気が湿り、雨足が強くなる。 時折吹く風に木々の葉が揺れ、ざわめきを起…

思いの数

雨上がりの水玉。 大きな蓮の葉っぱに、ぽろりん。ぽろん。 風に吹かれて、ゆーらゆら。 なにか、まあるい、まあるい。水玉の中で動いているよ。 顔をそっと近づけてみると、小さな小さなミジンコが閉じこめられている。 ミジンコから外の世界を見てみるとど…

たんぽぽ

桜が散り始めると、待ちに待った春本番。 じっと厳しい冬を乗り越えた木々が一斉に芽吹きの歌を歌い始める。 そっと目を閉じ、頬をなでるやさしい風を感じてみると、そこには太陽の国が広がっていた。 小さな太陽どこまでも続いている。 私市植物園にも春に…

昔はこんなにも梅が美しいとは思ってもいませんでした。 濃淡の景色が心にしみる。 じんわりと、枯れ木色の野山に淡い色がゆっくりと染みいく景色に魅力を感じます。 季節の静かな交響曲の始まり、静かな音律に誘われ、人々の心が溶けていく。 名残惜しい早…